米国が新規常任理事国に拒否権付与を反対表明について(私見)―05.05.16記述・05.05.23記事追加

ここに書かれているのはあくまでも新聞記事などについての「管理人の私見」です。鵜呑みにしないでください。

このような記事を発見しました。以下引用です。

米国、拒否権付与に反対 日独など4カ国に通知 (共同通信「5月16日」より引用・一部改訂)


 15日付米紙ニューヨーク・タイムズの記事によると、米国は15日までに、「日本、ドイツ、ブラジル、インド」の4カ国(G4)の国連安全保障理事会の常任理事国新規参入について、拒否権保有を求めないことに合意しない限り支持はしないとの立場をG4各国に伝えました。

 米政府当局者は同紙に対し、拒否権を持つ国が増えることで安保理機能がまひする可能性を指摘しています。現常の常任理事国は、安保理での発言権を弱める拒否権拡大には以前から反対とみられているため、日本など常任理事国新規参入を目指す各国は今後難しい対応を迫られものと思われます。



なお、記事原文はこちらから・・・。

さて、なかなか日本のニュースの話題にならない国連常任理事国新規参入についての話題ですが・・・、ここに来て雲行きがますます怪しくなってまいりました。
これまでの「気になる動向」でも指摘したように、常任理事国は「拒否権」という強い権限をもっています。これが非常任理事国との決定的な差です。そして今回、アメリカは改めて新規の常任理事国には「拒否権」の保有を認めないと通告してきました。

これは既存の権利の独占に他為りません。

現在はどのようになっているのかは分かりませんが、ロシアは新規参入の常任理事国に対し「拒否権」の保有を認めても良いとの見解を示していました。イギリス・フランスは立場が不明、中国は問題外ですが、ここまで強く「拒否権」の保有を認めない旨の見解を見せたのは中国以外ではアメリカが初めてです(中国はただ日本が嫌いなだけなので問題外)。

民主主義国の盟主を自負する国がこのような考えではあまりにもお粗末です。現在国連はむしろ、「拒否権」を持つ常任理事国のいがみ合いによって機能を制限されている、そういっても過言ではないと私は思います。ここで同等の立場で交渉のできる新勢力を入れることにより、かならず何かが変わると思われます。
アメリカにはぜひとも考えを改めてもらいたいものです・・・。

ただ、現在の日本人がこの話題に興味を持っておらず、常任理事国になる意義があるのかどうかははっきり言って微妙なのですが・・・。


関連情報が見つかったので追加します。

日本の拒否権、明言避ける 米報道官 (共同通信「5月17日」より引用・一部改訂)


 米国務省のバウチャー報道官は16日の記者会見で、日本の国連安全保障理事会の常任理事国入りへの支持をあらためて表明しましたが、拒否権付与を日本に認めるかどうかについては明言を避けました。

 米紙ニューヨーク・タイムズは15日付の記事の中で、
「米国は日本とドイツ、ブラジル、インドの4カ国(G4)が拒否権保有を求めないことに合意しない限り常任理事国入りを支持しないとG4に伝えた」
と報じています。この報道についても同報道官は「確定的な言葉は今はない」と述べており、拒否権の扱いに対するアメリカの態度は未確定との立場を示しています。

 米国はG4のうち、日本の常任理入りだけは明確に支持しています。報道官は
「米国(の国益)にかかわる問題。今後の協議を楽しみにしている」
と、議論を見守る構えを示しました。
なお、記事原文は上のものに追加してあります。

ニューヨーク・タイムズの記事とは違い、アメリカ側報道官は拒否権付与についての明言を避けてきました。
考えられる理由は大きく分けて二つ・・・
外交的戦略を実行するための時間稼ぎか、
言葉通りに方針が決まっていないのか
のどちらかだと私は思います。

どのみちアメリカの国益に関わる問題です。
なんらかの手段をアメリカが講じてくることは覚悟しておく必要がありそうです。

関連情報が見つかったのでもう一度追加します。

<常任理事国新規参入を目指す国々と現用の常任理事国との温度差>

決議案支持求め会合 G4、中国はけん制 (共同通信「5月19日」より引用・一部改訂)


 国連安全保障理事会拡大のための「枠組み決議案」への支持拡大を目指す日本、ドイツ、ブラジル、インドの4カ国(通称G4)は18日、アジアや中東諸国などで構成する「アジアグループ」(日本を含む54カ国)のうち約40カ国を日本国連代表部に招き、決議案の共同提案国に名を連ねるよう協力を求めました。

 この会合に出席した中国の外交官は、安保理拡大には正当な地域配分が必要とする中国政府の声明をあらためて朗読し、G4の動きをけん制しています。

 会合の終了後、大島賢三国連大使らG4の国連大使4人は中国国連代表部を訪れ、張義山国連次席大使と意見交換を実施。次席大使は、安保理拡大の必要性は認めましたが、安保理改革には可能な限り多くの支持が必要との立場をあらためて強調しています。



ライス長官、独の常任理事国入りに反対?…米紙報道 (読売新聞「5月18日」より引用・一部改訂)



 米紙ワシントン・ポストは18日付けの記事で、ライス国務長官が議会関係者に対し
「欧州連合(EU)加盟国に(英仏以外の)さらなる常任理事国を割り振る合理性はほとんどない」
と語り、ドイツの常任理事国入りに反対する意向を表明していたと報じました。

 同紙によると、ライス長官と国務省幹部は今月5日、連邦議会の委託で国連改革を討議している委員会の共同議長であるギングリッチ元下院議長、ミッチェル元上院民主党院内総務と会談。その際の会談内容が書かれた発言メモを同紙が入手したということです。
安保理改革について米政府はこれまでに、日本と共同で常任理事国入りを目指しているドイツ、インド、ブラジルへの態度については明確化しておらず、状況は依然不透明なままです。

なお、記事原文は上のものに追加してあります。

中国の妨害は想定の範囲内(と言うよりこれまで散々やられてますし)ですが、アメリカがドイツを締め出そうというのは少々信じがたいことです。
ただでさえ、アメリカと「イギリス以外の」EU諸国との関係はイラク戦争などの煽りで冷え込んでおり、関係改善のため何らかの手段を講じなければならない状況が続いていると思われます。

今回の中国の行動については「いつも通り(怒)」なので突っ込みは入れません(というか中国の補足をするのに飽きました・・・)。
問題のライス国務長官と国務省幹部の会談内容なのですが・・・、これはライス国務長官の独断の可能性があると思われます。
ライス国務長官はブッシュ政権の中でも強硬派で、俗に言う「ネオコン」(新保守派)の人物の一人です(と言ってもブッシュ政権はネオコンだらけですが・・・)。しかもこの方は一度、ブッシュ政権発足当時別の役職についていましたが、その政治手腕を疑問視する声が内外からおこり辞職しています。
数ヶ月前にライス国務長官は現状のようにブッシュ政権に返り咲いたわけですが、政治手法は以前と変わらないでしょう。そのため、これはライス国務長官の独断の可能性と私は踏みました。

現在、アメリカの周りは敵だらけです。少しでも状況を好転させるためにネオコンの方々も少しはアメリカによるアメリカだけのための一国独裁主義を緩和して、関係各国との友好関係を築く努力をしてみるべきではないかと私は思います。

いや、ぶっちゃけるとアメリカのゴタゴタに日本が巻き込まれるのはごめんですし、ね・・・。


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