ヒトES細胞について(私見)―05.02.08記述

ここに書かれているのはあくまでも「管理人の私見」です。鵜呑みにしないでください。

このような記事を見つけました、以下は記事からの引用です。

ES細胞から大脳細胞、理化研がマウスで世界初の成功 (読売新聞「2005年2月7日」より引用)


 大脳の神経細胞を、胚(はい)性幹細胞から効率よく作ることに、理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの笹井芳樹・グループディレクターらがマウスの実験で成功した。

 脳幹の神経細胞を高効率で分化させる方法はあったが、大脳では世界初という。

 脳こうそくや神経変性疾患などの治療への応用が期待される。6日付の米科学誌ネイチャー・ニューロサイエンス電子版に発表される。

 笹井氏らはマウスのES細胞を特殊な方法で培養。ES細胞から分泌される、神経になるのを抑制する物質の働きを抑えると、5日間で9割以上が神経細胞に分化。その4割が大脳のもとになる「大脳前駆細胞」とわかった。

 大脳前駆細胞にそれぞれ違った種類のたんぱく質を加えると、「大脳皮質」と、大脳の中心にあって体の動きの調節などをする「大脳基底核」のもととなる細胞に分化。さらに培養を続けると、ハンチントン病やパーキンソン病に関係する線条体の神経細胞や、アルツハイマー病と深くかかわる細胞もできた。

 笹井氏らは年内にもサルやヒトのES細胞で実験を始める。

 笹井氏は「研究が進めば、アルツハイマー病やBSE(牛海綿状脳症)などの発症メカニズムの解明や新薬開発のほか、細胞移植によるハンチントン病などの治療に道が開けるかも」と話している。

 ◆胚性幹細胞(ES細胞)=体内の様々な組織や臓器に変化する能力を持つ。人間に実際に応用する場合は、不妊治療の過程で不要になった胚(分裂を始めた直後の受精卵)を壊して取り出すため、生命倫理上の問題も指摘されている。国内では現在、研究指針作りが行われている。


ES細胞についての研究はここ数年で急激に進展を見せています。医学会などでは「夢の細胞」と言われる事もあり、人間の胎盤とともに万能の再生用細胞として研究されています。

しかし、人道上及び宗教上の理由により人間のES細胞研究はなかなか進んでいません。特に、政教分離が完全ではない欧米諸国ではその傾向があり、技術力があっても研究ができないという状態の国もあります。
その点、日本は政教分離が欧米諸国とは違って徹底されており(一部の政党を除きますが・・・)人道上の理由をクリアさえすれば研究は確実に進めることができます。
そのため国内での研究指針作りと法整備は必須であるといえます。日本はES細胞研究においては世界トップレベルなのですから、この機会を生かす必要があります。
もちろん人道上、生命倫理上の問題に目を背けることは許されません。しかし、そのリスクを考えてもこの研究は非常にメリットの大きいものであると思います。

もしかしたら私たちが生きている間に、外科的手術や臓器治療は現在とはまったく違う形になるのかもしれません。

追記・ヒト胚についての研究がイギリスにて開始

関係のありそうな文章を見つけたので追加します。

ドリーの次は、ヒトクローン?英の博士に胚の研究認可 (読売新聞「2005年2月9日」より引用)


 【ロンドン=飯塚恵子】世界初のクローン羊ドリーを誕生させた英エディンバラのロスリン研究所のイアン・ウィルムット博士が、今度はヒトクローン胚(はい)の研究に乗り出すことになった。
 ヒトの胚に関する研究を監督する英政府の「ヒト受精・胚研究認可局(HFEA)」が8日、同博士らの研究申請を認めた。期間は1年間。HFEAがヒトクローン胚の作製を認可するのは昨年8月に続き、2例目。

 博士らのチームは、ドリーの時に使った細胞核の入れ替え技術を応用し、進行性マヒを起こす運動ニューロン疾患の治療法研究に役立てるという。同疾患は脳からの命令を筋肉に伝える神経を冒す病気で、世界に約7万人の患者がいるとされる。

 博士との共同研究者であるクリストファー・ショー教授(ロンドン・キングズカレッジ)は、「運動ニューロン疾患の原因となる遺伝子を20年間探し続けてきたが、まだ1個しか見つかっていない。今回の研究は原因解明の大きなステップとなりうる」と期待を表明した。

 英国はヒトクローン胚を含む幹細胞研究では世界の最先端国の一つで、ヒトの胎児のクローンを作ることは法律で禁止しているが、治療法研究のためのクローン作りは合法化されている。


さて、ES細胞は分裂を始めた直後の受精卵を壊して使用しますが、クローン作りは受精卵をまるごと使います。このため、やろうとすれば本物の「ヒト」クローンを作ることも理論上は可能でしょう。
しかし、この研究は可能性とリスクが大きすぎる研究です。こういう時こそ国家が率先して管理し、それを第三者機関が監視する形を取るのが理想的な運営法だと思います。そう考えるとイギリスは流石に古参の法治国家だけの事はあり、すでに法整備が成されているため国が研究機関の暴走行為を監視することが出来るようです。おそらくイギリスの研究は何らかの結果は出すはずです・・・。それに比べて日本は・・・法整備も研究機関に対するバックアップも貧弱、頼りは技術者の実力のみですからね・・・。
細胞研究分野において、日本が負け組みに入らないことを祈りましょう。

戻る

トップまで戻る