日本の常任理事国入りについて(私見)―05.01.19記述

ここに書かれているのはあくまでも「管理人の私見」です。鵜呑みにしないでください。



日本は国際連合に加盟してから、今まで悲願としていた事があります。

「国連安全保障理事会への日本の常任理事国入り」

この野望は「旧敵国条項」によりこれまで阻まれていました。
しかし、国連の常任理事国が決定されて数十年、今や世界の枠組みは大きく変わりました。日本は「戦敗国」から「経済大国」に様変わりし(借金大国でもありますが・・・)、かつての超大国であったロシア(旧ソ連)は経済的に弱体化(軍事力はかなりのものがあります)し、世界の次期覇権を狙う国は常任理事国入りを虎視眈々と狙っている状況です。
そして国連も常任理事国の追加を検討し始めました。以下はネットニュースからの抜粋です。


安保理常任理事国、日本まず枠組み提案へ (読売新聞のネットニュースより抜粋)


 政府は17日、国連安全保障理事会の常任理事国入りに向け、今春をめどに新たな常任理事国の議席数のみを示した「枠組み決議案」を提出する方向で検討に入った。

 その後、今年秋にも、新たな常任理事国名を明記した「国連憲章改正決議案」を提出する2段階方式を取る考えだ。

 政府は、常任理事国入りを希望するドイツ、ブラジル、インド各国などと調整を急ぎ、現在の常任理事国の一部なども含む幅広い形で共同提案することを目指す。

 国連安保理改革をめぐっては、アナン国連事務総長の諮問機関「ハイレベル委員会」が昨年12月、〈1〉拒否権を与えない常任理事国を6か国、非常任理事国を3か国それぞれ増やす〈2〉任期4年で再選可能な準常任理事国8か国を新設し、非常任理事国を1か国増やす――の2案を示す報告書をまとめた。

 実際に安保理の構成を変更する場合、国連憲章の改正が必要だ。日本政府は多くの国連加盟国の支持を得るため、改正決議案提出を検討している。

 日本が、2段階に分けて決議案を提出するのは、新たな常任理事国ポストを巡る地域内の対立が激しいことに加え、日本の常任理事国入りが不可能になる「準常任理事国」の制度を新設させないようにする狙いもある。

 欧州では、ドイツの常任理事国入りにイタリアが強く反対。アフリカでは、南アフリカ、ナイジェリア、エジプトが常任理事国入りを競っている。このため、最初の決議案では、常任理事国増加を確定することに主眼を置き、ハイレベル委員会が示した常任、非常任理事国双方を拡大する案をそのまま盛り込む方向。

 具体的には、常任理事国を現在の5か国から11か国に、非常任理事国を10か国から13か国に拡大する方針を明記。新たな常任理事国6か国は、アジア、アフリカ地域で各2か国、欧州、南米・北米地域各1か国の割合で選出する方針を盛り込むことを検討。

 そのうえで、9月から始まる次期総会に、具体的な常任理事国名や、日本など第2次世界大戦敗戦国を対象とした国連憲章の旧敵国条項の削除などを盛り込んだ国連憲章改正決議案を提出したいとしている。

 ◆国連憲章改正=国連総会で加盟国(現在は191か国)の3分の2以上が国連憲章を改正する決議案に賛成した上で、現在の常任理事国である米国、英国、フランス、中国、ロシア5か国を含む3分の2以上の加盟国が批准することが条件となる。改正はこれまで1965年、68年、73年の計3回行われた。

[ 2005年1月18日3時7分 ]

さて、この常任理事国追加案ですが気になる事項があります。一つ目は
拒否権(※1)の有無」
これは非常に大きい問題です。これまでの常任理事国は「拒否権」というすさまじい力を持っているのに、これから新規参加する常任理事国には「拒否権」は認めないそうです。まあおそらくは、これまでの常任理事国が裏で手を引いているのでしょうが・・・。
二つ目は
「準常任理事国枠の新設」
日本の野望は「常任理事国入り」、つまり「半永久的に国として高い地位にいることと、権利を持つこと」です。いくら再選可能(ちなみに非常任理事国は任期終了直後の再選不可)とはいっても歴然とした権利の差があります。日本の一部の政治家はこれを嫌って、二段階の方法を使い、準常任理事国案を成立さすまいとしているわけです。

では、日本が常任理事国になった場合のメリット・デメリットはどうなのかというと、極端に言えば
メリット
・拒否権を持てる・・・かは分からないが、常に国連安全保障理事会の席で発言を自力で行える。故に、影響力が大きくなる。
デメリット
・地域紛争等発生時に自衛隊の派遣を検討しなければならない事態が増加する。
といったところでしょうか。・・・これでも分からなければぐぐって下さい(丸投げ)。

ところで、実際に日本は常任理事国になって何が出来るのかと思う方もいると思います。これに関しては一言で片付きます。
「何も変わりません」(※2)
以上です。

※1国連安全保障理事会で決議されることを拒否する権利、現在の常任理事国にしか認められていない。常任理事国のうち、一カ国でも拒否権を行使するとその決議は無効になる。これが国連の足枷となっているのは当然である。
※2もちろん拒否権がないからです。と言いたいところなのですが、最近風向きがころころ変わるのです。アメリカは日本に拒否権を持たせたいようですし、ロシアも新設の常任理事国に拒否権を持たせることに関して前向きな姿勢をとり始めています。これに関しては今後の推移を見守るしかなさそうです。
ちなみに、日本は国連の予算のうち20%を支払っています。これは比率では世界第2位です(1位はアメリカで25%)。しかし、アメリカは予算の支払いを滞納しているので実際は国単独では日本が最も国連予算を払っています。これで発言権が認められないのはあまりにも、ねえ・・・。なので、常任理事国になりたい訳なのでしょう・・・。
と言っても、多分アメリカの金魚の糞的外交姿勢は変わらないでしょうけど・・・。


新たな情報が見つかったので追加します。(05.02.04)

日本の常任理事国入り支持 ナイジェリア外相会見 (「共同通信2月4日」より引用)


 【アブジャ4日共同】アフリカ連合(AU、53カ国)議長国ナイジェリアのオルイェミ・アデニジ外相は3日、首都アブジャで共同通信などとのインタビューに応じ、国連安全保障理事会の拡大問題で日本政府が希望する常任理事国入りについて「日本政府の立候補には何の問題もない。ナイジェリアは支持する」と表明した。

 アデニジ外相はさらに、ナイジェリアは「常任理事国6カ国増」案を支持すると表明。「アフリカ諸国は同案の支持が多い」と強調し、AU諸国が6カ国増案支持でまとまることを希望していると語った。

 国連の高級諮問委員会の報告書は「常任理事国6カ国増」案と「任期4年で改選のある準常任理事国8カ国新設」案を併記。常任理事国入りを狙う日本やドイツなどは6カ国増案を支持しており、国連総会の「大票田」であるアフリカ諸国の協力、支持を求めている。


さて、私はこの裏には大きな利権が絡んでいると見ているのですが・・・これは邪推でしょうか?
アフリカ諸国は財政面が貧弱な国が多く、常に経済が不安定です。それを補うのが外国からの観光客と資源・食料の輸出、そして各国からの支援です。事実、日本は無担保でアフリカ諸国に経済支援を行っています。ドイツもなんらかの技術支援は行っていると思われます。
もしこれを打ち切ると言えば・・・。まあ、邪推にすぎないのですが・・・。


新たな情報が見つかったので追加します。(05.02.17)

川口首相補佐官、常任理事国入りで改めて決意表明 (読売新聞「2005年2月17日」より引用)


 訪米中の川口順子首相補佐官は16日、ニューヨークの外交政策協会で国連改革について講演し、「日本が常任理事国の地位を求めることは適切かつ正当で、国連や国際社会にとっても有益だ」と述べ、日本が、国連、特に安全保障理事会の改革を「断固として」行う中で、その常任理事国となる決意を改めて表明した。

 補佐官は、日本が国連の通常予算や平和維持活動予算について、米国を除く常任理事国(英仏露中)4か国の合計よりも大きな財政負担を行い、政府開発援助(ODA)でも2000年まで10年連続で1位だった実績などを強調。各国が安保理改革に向けて費やしてきた「多大な時間、エネルギー、資金を回収すべき時が近づいている」と迫った。


日本の負担しているお金について話が出てきたので補足を・・・。

上のほうでも述べましたが、日本は国連の通常予算を国別では最も払っており、国連の財政負担は日本が大きな役割を担っているのは事実です。
しかし、、政府開発援助(ODA)は日本の場合無駄が多いことでとても有名です。また、実際の支援においては金だけ払ってほったらかしのケースが多いのも日本のODAの特徴です。
・・・まあ、一番の問題は「ODAをいまだに中国に払い続けていること」なんですが・・・。もう必要ないと思うんですけどねぇ・・・。


関連性のある情報が見つかったので追加します。(05.02.23)

常任理事国2枠巡り、4か国駆け引き…AU特別委協議 (読売新聞「2月21日」より引用)


 【ムババーネ=加藤賢治】国連安全保障理事会の改革で、アフリカの総意をまとめるアフリカ連合(AU)の特別外相委員会の協議が20日、アフリカ南部スワジランドの首都ムババーネ郊外で始まった。

 同委員会は新たな常任理事国に「アフリカ枠」の2か国を認める案を支持する可能性が高く、7月のAU首脳会議に向け、アフリカの代表の座を争う外交戦が今後本格化することになる。

 特別外相委員会は、アフリカ5地域から原則各3か国、計15か国の外相が参加し、22日までに安保理拡大に関するAUの見解を集約する。3月にはアナン事務総長が国連改革に関する勧告を行う予定で、その前にAUの見解を一本化するのが目的。

 安保理改革では、アナン国連事務総長の諮問機関が、現在5か国の常任理事国を6か国増やすA案と、準常任理事国8か国を新設するB案を提示済み。

 AU関係者などによると、AU加盟国には新たな常任理事国に二つのアフリカ枠を認めたA案を推す意見が多い。常任理事国入りを目指す日本もA案を支持している。

 アフリカ53か国加盟のAUがA案に固まれば、日本にも追い風となる。また、南アフリカなどAU有力国は、新たな常任理事国にも拒否権を認めるよう求めている。

 常任理事国の「アフリカ枠」を巡っては、ナイジェリアと南アフリカ、エジプト、リビアが「立候補」を表明している。特別外相委がA案支持で固まれば、7月の首脳会議でアフリカ代表が選ばれると見られる。

 南ア外交筋によると、今回の協議は当初、南アが開催を申し出たが、エジプトが「南アは中立国ではない」と反発、スワジランドに決まった経緯があり、すでに水面下での各国の駆け引きは始まっている。

 安全保障問題研究所(南ア)のプリンス・マシェレ上級研究員によると、候補国は事実上リビア以外の3か国に絞られているが、加盟国間ではブラック・アフリカの代表格で「最もアフリカらしい国」とされるナイジェリアへの支持が強い。

 南アは突出した経済力が武器だが、「アパルトヘイト(人種隔離政策)で白人政権が築いたもの」との反発もあり、南ア支持はナイジェリアよりは弱いという。

 エジプトには「アラブ国家で、アフリカ代表にふさわしくない」との懸念が根強く、苦戦が予想されている。


新常任理事国枠争いにおいて日本は立場が流動的(というよりそもそも国内世論が固まっていない)ですが、最も激戦が予想される「アフリカ枠」は早くも鍔迫り合いが始まっているようです。
私も、経済力においてではアフリカ内では南アフリカにかなう国は無いと思います。しかし、記事にも在るとおり南アフリカは悪名高い「アパルトヘイト」を行っていた国です。
ちなみに、「アパルトヘイト」が行われていた当時、日本人は「名誉白人」として扱われ白人と同待遇だったそうです。それで天狗になっていた日本人がいるかと思うと、情けない限りですが・・・。
また、エジプトは前述のように「アラブ国家」であり、また「イスラエル」と単独和平を行ったこともあって、アラブ国家からも「裏切り者扱い」されていることから、アフリカ代表としてはふさわしくないというのは同感です。

しかし、こう見るとアフリカはパワフルだと本当に思います。
色々な面で先進国に遅れをとっていても、必死にそれをカバーするのですから。向こうの政治家はやりがいのある職業なのでしょうね。
それに比べて日本は・・・。常任理事国になりたければ国内世論を統一する必要もあるはずなのに、肝心の説明がなされていないのですから・・・。国民に興味を持ってもらう努力すらしない、情けないかぎりですよ・・・。


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